はじめに
先日、腰の検査をした際に、ある介護職の方がこう話しました。
「介護職だから、職業病なんです。」
その方は、すんなりと腰痛を受け入れ、どこか諦めているような表情をしていました。
診察では、
「痛み止めと湿布だけ出してくれれば良いです。」
と話し、普段からストレッチなどのケアはしていないとのこと。
私はこの姿に強い違和感を覚えました。
世の中には、腰痛を受け入れ、改善しようとしない方もいる。
それで本当に良いのでしょうか?
今回は、腰痛を諦める前に考えてほしいこと、そして長く仕事を続けるためにできることについてお話します。

腰痛を受け入れるのは楽? でもその先に待っているものは?
確かに、腰痛を改善しようと努力するよりも、「職業病だから仕方ない」と受け入れる方が楽に感じるかもしれません。
しかし、本当に腰の痛みが悪化し、仕事ができなくなってしまったらどうなるでしょうか?
- 休職や離職:痛みが限界に達すれば、仕事を続けられなくなる可能性があります。
- 経済的負担:治療費やリハビリ費用がかかることも。
- 精神的な負担:動けないことへのストレスや、仕事への焦りが生まれます。
こうした状況を避けるためにも、今できることを少しずつでも続けていくことが大切だと私は考えます。
「職業病だから仕方ない」は本当なのか?
介護職の方の中には腰痛を抱える方が多いのは事実です。
しかし、同じように体を使う重労働の方や配送業者の方など、全員が腰痛になるわけではありません。
腰痛になるかどうかは、職業そのものよりも「体の状態」、「体の使い方」や「日々のケア」の違いが大きく影響すると思われます。
「職業病だから仕方ない」と諦める前に、これらの原因を見直してみることが重要です。
腰痛を諦める前にできること
では、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか?
① 体の状態に気をかける
体に疲労が溜まっていないか、柔軟性が低下していないかなど、日頃から自身の体に注意を受けましょう。
② 正しい体の使い方を身につける
腰に負担をかけないような動作を修得しましょう。
例として物を持ち上げる際は、腰だけでなく下半身もしっかり使って腰への負担を減らしましょう。
③ 毎日のストレッチを習慣化
ストレッチをやらないよりも、やった方が腰の負担は減ります。
腰だけでなく、股関節や肩関節など全身のストレッチをすることで、上半身と下半身の連動をスムーズにしてあげましょう。
少しの努力で、未来は変えられる
「職業病だから仕方ない」と思っている方も、小さな習慣を積み重ねるだけで未来は変わります。
- 自身の体に注意を向ける
- 体の使い方を意識する
- 体をメンテナンスする
このように、無理なくできることを少しずつ続けることが、腰痛を防ぎ、長く仕事を続けるための第一歩です。
おわりに
腰痛は決して「職業病だから仕方ない」と諦めるものではありません。
もし今、腰痛を受け入れている自分に気づいたら、その考えを少しだけ変えてみてください。
「やり過ごせればいい」という気持ちではなく、未来の自分のために、今できることを始めてみる。
あなたの体は、きっと応えてくれるはずです。
まずは今日から、ストレッチを始めてみませんか?