反り腰って腰が反っている?

腰椎のレントゲンを撮る際に、「私は、反り腰です。」と良く言われます。
その「反り腰」、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
腰椎は、基本的には適度な前弯(少し反っている状態)が正常です。だから反り腰は、腰椎全体がすごく反っているイメージですか?
しかし実際にはそうではありません。
反り腰の方の多くは、腰が反っているというよりは、
- 重心バランスが崩れている
- 骨盤が前傾して、下部腰椎の過剰な前弯
など、腰だけが原因でない事が特徴的であると感じています。
なぜ「反り腰」になってしまうのか?
反り腰の原因はさまざまですが、特に以下の要素が関係していると考えられます。
① 重心位置のズレ
重心が前に偏ると、それを支えようとして骨盤が前傾しやすくなります。すると、下部腰椎が過剰に反ってしまうのです。
② 腹筋の低下
腹筋(特に腹直筋や腹横筋)の機能が低下すると、骨盤を適切な位置に保持できなくなり、前傾が強くなります。これが腰への負担を増やし、痛みの原因になります。
③ もも付け根(腸腰筋)の硬さ
腸腰筋が硬くなると、骨盤を前に引っ張る力が強くなり、結果的に反り腰の原因となります。デスクワークが多い人は特に要注意です。
④ 胸椎(背中の上部)の進展不足
胸椎が十分に伸びないと、腰で無理に動きを補おうとして過度に反ってしまいます。背中の柔軟性が低い人ほど、腰に負担がかかりやすいのです。
だからこそ必要なアプローチ
反り腰を改善するために、腰を丸めれば良いという単純なものではありません。
そして反り腰を改善するためには、腰だけにアプローチするのではなく、全身にアプローチする必要があります。
- 重心位置を整える → 立ち姿勢や歩き方を見直し、体の重心が前に傾きすぎないようにする。
- 腹筋を強化する → 腹横筋を意識した呼吸トレーニングやプランクを取り入れる。
- もも付け根の柔軟性を高める → 腸腰筋ストレッチを行い、骨盤が前傾しすぎるのを防ぐ。
- 胸椎の可動域を広げる → 胸椎のモビリティエクササイズを取り入れ、腰への負担を減らす。
まとめ
「反り腰」というと、腰全体が反っているように思われがちですが、実際には
- 重心バランスの乱れ
- 骨盤の前傾・下部腰椎の限局的な反り
レントゲンで確認出来ることが多いです。
だから反り腰を改善するためには、腰椎だけでなく重心位置・体幹・もも付け根の柔軟性・胸椎の可動域など全身にアプローチすることが大切です。
反り腰による腰痛に悩んでいる方は、これらのポイントを意識したエクササイズを取り入れてみてください!