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画像検査だけでは見えない腰痛の真実 — 診療放射線技師としての気づき

画像検査だけでは解決できない腰痛の現実

CTやMRIといった画像検査は、骨や臓器の異常を正確に捉えるための非常に優れたツールです。

私自身、診療放射線技師として病院で勤務する前は、これらの検査を行えばすべての痛みや不調の原因が明らかになると考えていました。

しかし、現実はそう単純ではありませんでした。CTやMRIなどの画像検査で、異常を指摘出来ないことが多いことを知りました。

例えば、ぎっくり腰の方は強い痛みを訴えますが、画像検査で明かな異常は指摘出来ません。

また慢性腰痛は、長期間痛いにも関わらず、画像検査で明かな所見を指摘出来ることは少ないです。

診療放射線技師としての気づき

診療放射線技師として働く中で、私は多くの患者さんが「画像では異常がない」と言われ、痛みの原因がわからず困っている姿を見てきました。

一方で、理学療法士の方々は、患者さんの姿勢や動作、筋肉の硬さや関節の動きなどを細かく評価し、痛みの根本原因を探ります。彼らは、画像検査に映らない不調にも寄り添い、手技や運動療法を通じて改善を目指します。

彼らの知識と技術に触れることで、私は「画像検査だけが全てではない」という大切なことに気づかされました。

多職種の知識を活かした腰痛のケア

例えば、同じ腰痛でも患者さんによって原因は異なります。

  • 筋肉の過緊張:長時間のデスクワークや不良姿勢が続くことで筋肉が硬くなり、痛みを引き起こすことがあります。
  • 関節の可動域制限:股関節や骨盤の動きが悪くなることで、腰への負担が増加します。
  • 心理的要因:ストレスや不安が腰痛を悪化させるケースもあります。

これらは画像検査では判断できませんが、経験豊富な理学療法士などは、患者さんの話を丁寧に聞き、動作を観察しながら適切なアプローチを行います。

診療放射線技師である私も、こうした知識を学び、患者さんの痛みに対してより深く理解を深めていきたいと考えています。

画像検査と多職種の協力でより良い医療を

もちろん、画像検査が不要というわけではありません。骨折や腫瘍、椎間板ヘルニアなど、重大な病変を早期に発見するためには欠かせないものです。

しかし、画像に異常が見られない場合でも、患者さんの訴えを軽視せず、多職種の専門家と協力しながら原因を探る姿勢が重要です。

診療放射線技師としての知識に加え、他職種の視点を取り入れることで、患者さんの生活の質を向上させるサポートができると信じています。

学び続ける姿勢を大切に

私が診療放射線技師として大切にしているのは、「学び続けること」です。

画像検査の技術を磨くだけでなく、理学療法士の知識や技術にも積極的に触れ、患者さん一人ひとりに合ったケアを提供できるよう努めています。

これからも、画像に映らない痛みに苦しむ患者さんの力になれるよう、多職種との連携を深めながら成長していきたいと考えています。