短期的効果と長期的リスク
腰痛対策として、コルセットや腰痛専用の椅子などのグッズやアイテムがあります。これらは、腰痛のサポートとして有効です。
しかし長期間使い続けることで、筋力や体の機能が衰え腰痛が改善されない事もあります。治るもの治らないという感じでしょうか
短期的な視点で考えると効果的ですが、長期的な視点で見るとやはり体を根本から改善することが大切だと思います。
グッズなしでは生活出来ない
腰痛がひどいとき、コルセットや専用の椅子は確かに役立ちます。腰を支えて痛みを軽減したり、負担を減らすことで日常生活を送りやすくする効果があります。
ですが、それに頼り続けると、自分の筋肉や関節が十分に働かなくなることがあります。
人間の体は、「使わなければ衰える」という特性があります。コルセットで腰を固定した状態が長期間続けば、筋肉がサポートを怠けるようになり、必要な筋力が落ちてしまいます。
同じように、腰痛専用の椅子も、骨盤や背骨を正しい位置にサポートしてくれますが、そのサポートが常態化すると、自身で姿勢を保つ力が弱まります。
結果として、コルセットや椅子を使わない状態だと、逆に腰が痛くなったり、長時間の姿勢維持が難しくなったりするケースが多く見られます。
これは、腰痛サポートグッズに限った話ではありません。松葉杖や車椅子、杖、歩行器などの補助具も同じです。
必要な時に使用することはもちろん重要ですが、使い続けることで、体がその補助に頼りすぎてしまい、本来の筋力や動作能力が衰えるリスクがあります。
例えば、松葉杖を長期間使用していると、片脚の筋肉量が落ちたり、バランス感覚が悪化したりすることがあります。
また、車椅子を利用している方がリハビリを避けてしまうと、自力で立ったり歩いたりする能力が低下してしまうことも少なくありません。
具体例
ある高齢の患者さんは、膝の痛みから杖を使い始めました。当初は杖を使うことで歩行が楽になり、日常生活も問題なく送れていました。
しかし、杖に頼りすぎた結果、痛みの原因となる筋力低下やバランス能力の衰えが進行。最終的には杖なしでは歩けない状態になり、さらには別の関節にも負担がかかるようになってしまいました。
一方で、松葉杖を使用していた別の患者さんは、リハビリを積極的に行い、適切なタイミングで杖を卒業しました。
自力で歩く力を取り戻し、バランス感覚も向上。杖が不要になっただけでなく、痛みも改善し、生活の質が向上したのです。
グッズに頼らない体づくり
コルセットや腰痛専用の椅子、さらには松葉杖や歩行器といった補助具は、一時的なサポートとして非常に有効です。
しかし、長期的に頼りすぎると、筋力や体の機能を低下させ、根本的な問題を悪化させる可能性があります。
短期的な効果を賢く利用しつつ、長期的には「自分の体で支えられる体づくり」を目指すことが大切です。
腰痛の改善や体の機能回復を目指すなら、まずは適切な運動やストレッチを取り入れ、少しずつ体を動かしていきましょう。
補助具やサポートグッズは「今だけ使う道具」として考え、最終的にはそれを手放せるよう、根本改善に取り組むことが、健康で快適な生活への一歩となります。